計測器の校正を行うには資格が必要なのか

社内の品質管理が目的であれば資格は必要なし

一般的に社内の品質管理のため計測器の精度を確認する作業を行うだけであれば、特に資格が必要なわけではありません。それぞれの社内規定などで定めた教育や訓練などを受け、社内基準に見合う認定者となれば良いでしょう。実際にそうした教育体制を持ち、きちんと教育がなされて企業もありますし、教育のための外部セミナーなども開催されています。ただし、もし計測器の販売や計量が主業務の企業であればそうはいきません。校正も含め、計量管理が必要な事業所には有資格者が必要となりますし、計測器の販売においてもやはり必要でしょう。資格としては一般計量士で、計量に関する基礎知識や機器の概論、質量の計量、計量関係法規や計量管理論などを習得した技術者を認める、計量法に基づく国家試験となります。

一般計量士とはどんなものなのか

計量士は計量法という法律に基づく国家試験で、昭和28年から実施されています。平成5年から現行の環境計量士・一般計量士の区分に分かれ、計量管理を行う上で必要な知識と技能について毎年1回筆記試験が行われます。計量士になるためには2つの方法があります。1つ目は国家試験に合格する方法、2つ目は計量研修センターで所定の過程を修了する方法です。計量研修センターというのは産業技術総合研究所が設置したもので、計測や計量分野での人材育成を目的としています。さまざまな講習や実習を実施し、地方庁で計量行政に携わる公務員や民間企業、公的機関から年間600人を超える研修生を受け入れています。計量法は経済産業省が所管する法律ですが、計量に関する専門的な知識と技術を持つ人を計量士と認め、計量器の検査やその他の計量管理に関する職務を担当させるとしています。区分は一般計量士のほかに環境計量士(濃度関係)、環境計量士(騒音・振動関係)がありますが、校正を行うのであれば一般計量士で良いでしょう。

結果の有効性の根拠を明確にすることが重要

前述の通り、社内基準を設けて計測機器類の検査を行うことは可能です。ただし、校正は結果が出れば良いという訳ではもちろんありません。一番大切なのは、出た結果が有効であるという根拠が証明できることです。そのためには、しかるべき技術を持つ人員が担当することも重要でしょう。もう一つ、自社内ではなく第三者が客観的に検査業務を行ったとする証拠も、非常に有効となります。ISOで客観的条件が成立するには、標準器のトレーサビリティが確立され、一定レベル以上の技術を保有する人員が実施し、手順が明確にされていることが必要です。また実施したことを証明する記録があることも大切で、これらは社内・社外問わず必要不可欠な条件とされています。これら条件を満たして初めて有効性が立証できますので、そこは認識が必要です。例え自社が計器製造メーカーだったとしても、この条件を満たさなければ自己認証のみであり、校正の客観的条件は満たしていないことになります。